RC2002ポスターセッション要旨集原稿
大林組エンジニアリング本部情報エンジニアリング部(浜嶋鉱一郎・長舟利雄)
コミュニケーションを重視した大学教育支援システム
大学教育にWebを利用した支援システムが利用され始めている。当社では、岐阜女子大学文学部情報メディア学科塩田教授と共同で、教員と学生のコミュニケーションの場を考慮した講義支援システムを開発し、実験的に使用してきた。基本的なシステム構築の考え方は、大学生活の中心となる講義や学生交流のプラットホームを持つことにし、講義サイトや交流サイトを用意した。個人のプラットホームは、本人の情報を格納するデータベース、大学行事と個人の予定を表示する個人用スケジュール、履修対象の講義時間割、講義のレポートの課題や返却の通知表示、学生間の交流サイトが1画面でデザインされている。講義サイトは、履修者だけがアクセスでき、シラバスや教材提供、課題の提示、レポートの提出と返却、質問&回答機能などがある。本システムは、講義内容の理解や学力向上の環境として利用することを目的として、双方向のコミュニケーション機能や連絡機能を充実させて、その実現を図る。このほかに学生指導や研究室のゼミを対象としたシステムも活用できる。昨年度一年間の活用の反省から、今後もさらに教員と学生のコミュニケーションが深まるシステムのあり方を研究していきたい。
D208 中本美香[D1]
東アジア地域におけるIT化政策の評価と分析〜自然言語処理と数量化分析の適用(試論)
1990年代前半のインターネット技術商業利用への開放を契機として、シンガポール、マレーシアなどはいち早く具体的な情報社会への移行行動計画を定め、情報技術分野への外資導入に対しても積極的に動いた。そのような中で、今回、東アジア地域においても、IT化(情報化)政策が明確に提起され、数量化分析を容易に行うことが可能であろうと期待されたシンガポール、マレーシア、韓国及び中国(香港を含む)の4ヶ国・地域の現地新聞記事(日本語で要約された記事)を調査対象として採用し、IT化政策に関連すると思われたキーワード群を用いて政策の数量化及び視覚的表現を試み、それぞれの政策評価と分析を行った。ここで用いる数量化方法は複数のキーワード群が1文中に出現するか否かによって1、0を与え、1997年8月から2000年12月までの記事全体から複数のキーワード群分布の統計的距離を測定しようとするものである。こうして得られた結果を参考にそれぞれの国・地域のIT政策をITインフラ、国家介入、技術要素などの軸で評価分析し、加えて、各国の時系列的変化の比較・考察も試みた。
D107 田中紀子[D2]・D208 中本美香[D1]・D103 坂井優[D2]・M108 浦上阿久里[M2]・M109 宇高健介[M2]・M129 出口貴史[M2]・M130 富山雅代[M2]・M220 中川芳明[M1]・M222 平山晴之[M1]・佐藤等史(修了生)
兵庫県IT事業化政策を問う!
昨年度のリサーチプロジェクトでの成果を踏まえつつ、県のIT戦略の取り組みで検討されていない新たな挑戦分野の提起を行う。
D103 坂井優[D2]
移転支出の配分について〜自己組織化マップの適用事例〜
国家から地方自治体に対して支出される移転支出(地方交付税交付金、地方譲与税、国庫支出金)は、どのように配分されているのだろうか。その基準が明確にされているものもあれば、明らかにされていない部分もある。今回は先行研究より、移転支出に影響するとされる変数を採用し、回帰分析と自己組織化マップを用いて分析する。
シャープ(株)電化システム事業本部A1220プロジェクトチーム(野島秀雄)・同人事本部人事部(小林昭司・新納隆生)
クラスターイオンを用いた空気環境浄化技術
大気圧下でのプラズマ放電で生成したクラスターイオンを用いて空気環境を浄化する世界初の空気浄化技術を開発した。従来の空気浄化技術が、空気を機器に取り込んでフィルターで濾過するのに対し、本技術は空気に直接作用して環境を清浄化することができる。本講演では、開発した技術を用いて、空気中に浮遊してアレルギーや感染症の原因になる菌やカビを除去した実験結果について報告する。さらに、本技術を搭載した商品群について発表する。
M133 原田徹[M2]・M131 豊田美智子
組織設計から地域環境保全を目指す環境経営とは(前半)
2001年秋学期リサーチプロジェクトの1つである地域環境保全と行政・企業・市民ネットワークでは、2チームに分かれてグループ研究を行った。この発表は、その中の1つである環境経営チームのものである。
チームの目標として、1.環境経営についての知識を得ること、8.経営を研究するアプローチの多様性を知ること、9.報告書の協働作成を行うことで、協働について実体験すること、とした。
環境経営の研究手順であるが、まず調査するにあたり、1.業界の選択(エネルギー業界・自動車業界・家電業界)、2.地域の選択(関西)から調査対象企業3社、3.各々の比較対象企業として3社、合計3業界、計6社を選択した。次に調査方法としては、まず調査対象企業ごとに環境経営の内容を理解すべく、文献・HP検索、環境報告書の入手、およびメールによるヒアリング等を行った。
調査の結果、同じ業界に存在する企業間では、環境経営の内容に大きな差が見られないと判断された。しかし、日本経済新聞による環境経営度調査では各業界共、調査対象企業と比較対象企業との間にランキングの差違が見られた。そこで差違の原因を探ることとし、同じ業界内における協働による地域環境保全の取り組みについても検討を加えた。
今回、短期間のリサーチプロジェクトでは、その差違の充分な解明までには至らなかったが、環境経営研究に興味をもたれる方の一題材になればとの思いで、今後の研究課題等を含めて発表を行う。
M131 豊田美智子[M2]・豊原光希(修了生)・M111 大山智弘[M2]・M112 岡田和男・M122 郷田孝樹・M123 宿院秀昭・M133 原田徹・M142 渡邊修次
組織設計から地域環境保全を目指す環境経営とは(後半)
2001年秋学期リサーチプロジェクトの1つである地域環境保全と行政・企業・市民ネットワークは、2チームに分かれてグループ研究を行った。この発表は、その中の1つである環境経営チームの成果に、私の研究テーマである協働についての、現段階までの考察を加えたものである。
私は、現場で「しごと」をする様々なセクターの方に出会い、対話をした中から、新しい経済社会を拓きたいが、まだうまくそれを「言葉」にできていないと感じている。また、経済学・経営学・社会学といった「学問」に触れるうちに、学問もあたらしい経済社会を拓くために、何かひとつの白的に向かって研究が続けられていると感じている。このような疑問を解くために、一方向の支援ではなく、支援し合える、つまり「協働」ということを、経済と社会の間に立って考えていくこととした。
現段階において考えている私の「協働」の仮説としては、経済社会における様々な仕組みを変えるための「しごと」を設計し、実践しようとする活動であり、形態だけを問うのではないとした上で、そのレベルとして、1.個人内の協働、2.単一組織内の協働、3.複数組織間(単一セクター内および複数セクター問)の協働の3つがあると考えている。
この発表では、1.現在までの私の協働についての考察を延べ、3.環境を考えるある「小さな市民団体」との「ワークショップ」において実践した協働に関するミニ実験の内容、8.環境経営チームの研究において調査した、複数セクター間の協働の良い事例と疑問事例を発表する。
リサーチ・コンソーシアムに参加される行政・企業・市民の方々、そして研究者および学生から、様々な評価をいただきたいと思っている。
D201 安部静佳[D1]
ヘドニックアプローチによるアメニティ財の評価について〜水環境を中心に〜
アメニティ財とは,人々が効用を得、かつ集団で消費するような財を指している。「アメニティ」という言葉は外来語で、1970年代ごろから日本で使われるようになった言葉であるが,その包括する内容は多岐にわたる。アメニティ財は、多くの場合、市場で取引されることはなく、その価値を客観的に把握することは困難である。アメニティ財の価値を評価する一手法として、ヘドニックアプローチが考えられる。今回の発表では、ヘドニックアプローチを用いてアメニティ財を評価した研究の中でも特に水環境を評価したものを中心に取り上げ、研究事例の比較検討を行う。
中川芳江(修了生・(株)ネイチャースケープ)・D203 西澤真則[D1]・D202 上野山晃弘[D1]・M101 浅川拓郎[M2]・D108 山本龍彦[D2]
地域発・官−民協働の創出とPolicy schoolとの連携−兵庫県動物愛護センタ〜講座の事例から〜
本発表では、政策現場における「協働」の意味を明確にし、その実現過程を具体的に示すことを通じて、政策の最前線の場において、思想的研究を踏まえた政策展開の重要性とその具体策を提示する。
人と人、人や動物・自然といった「関係」に関わる政策課題(共同性に関わる政策課題)においては、課題解決のために「関係」を問い直す作業も必要になる。この作業に於いては、根底にある価値判断をどのように捉えるかが重要となる。ここに政策研究における思想的研究が活かされるべき必要性があるといえる。
動物愛護政策において、行政と民との協働を創出するコーディネーターとして中川が関わっている兵庫県動物愛護センター講座を事例に取り上げる。本講座は鎌田研究室のご協力も得て実施した。本講座は、地域における動物愛護行政の一翼を担う官民協同の活動を創出することを目的とした講座である。この講座において協働をどのように実現しつつあるか、また関係を問い直す作業をどのように行つたかを発表する。
(なお、本研究発表は大学側共同発表者(西澤氏、山本氏)の発表と連携した一連の研究発表です)
D209 西澤真則[D1]・中川芳江(修了生・(株)ネイチャースケープ)・D202 上野山晃弘[D1]・M101 浅川拓郎[M2]・M212 小山英志[M1]
「Policy School」からみる官−民協働の創出、その意義と問題点〜兵庫県動物愛護センター講座の現場から
本発表は、政策的課題に対する官・民・学の協働を実現するため、それぞれの領域に必要な橋渡しを思想研究の方法論として提示する。具体的には、本年3月2日に行われた兵庫県動物愛護センター講座「サピエンティア」と本学部鎌田研究室との合同討論会を現場の事例として取り上げる。
一口に動物愛護政策といっても、政策運営の主体は、市民、行政とレベルを異とする。そして、市民レベルにおける政策へのかかわり方と、行政による政策運営は、個別的対処に終わっており、その効率性の点で疑問が残る。つまり、社会全体における政策課題の読み取り方、実践の方法論は、まとまりを欠いている。動物愛護を取り巻く現状として、違法取引による国外からの流入や、安易な感情から飼われ始めた「ペット」の飼育放棄により、増加しつづける「問題としてのペット」がある。その一方、問題の対処として、「処分」(具体的には「安楽死」による)に追われる行政の姿がある。前者には問題意識の希薄があり、後者には道徳的疑問が残る。以上のことから、現在の官−民の政策運営は、個別の問題に対処する対症療法に追われており、飼育放棄や虐待を生み出す原因を見極め、根治する方法論的視座をもっていないといえる。なぜなら、飼育放棄や虐待の問題は、動物と人間との関わり方に限らず、ひろく人間と生命の関わりを問う価値観の問題を含むからである。
そこで、本発表は、官民協働の実現を図るため、愛護政策における問題の所在を確認し、現場に活きる方法論を提言する。
D108 山本龍彦[D2]
Symbiosis with the animals・・・人と動物との共生関係を求めて
本発表は、私の専門であるヴィジュアル・デザインを媒体として、中川芳江氏と鎌田研究室有志による「動物愛護」を主題として、人と人、人と動物や自然との共生関係をめざした「協働」へと向かう政策決定、すなわちポリシー構築の連携研究が求めるものを、シンボリックな表現で1枚のポスターに表象することを目指したものである。ポリシー、すなわち政策決定の根底には、その決定を無意識裏に促した文化と思想が必然的に存在する。そして思想、あるいは哲学は、その本質的構造を論理的に追究して言語化して表現するのに対して、視覚伝達媒体であるヴィジュアル・デザインは、それを視覚的な表象に託すことで、象徴的に人々の直観に訴求するものと言えよう。換言すれば、前二者の発表が論理と言語によって、直接的に悟性に働きかける説得性を持つのに対して、本発表はまず完成に訴求し、後に悟性に働きかけるという機能と役割をもって、両者の研究成果を補完する「三位一体」となった発表なのである。
M069 横山孝雄 [M2]
森林系バイオマス利用による温暖化防止戦略〜事例:兵庫県加美町の森と林業を救え〜
21世紀の経済−『自然資本の経済(Natural Capitalism)』、『ソーラー地球経済(Solare Weltwirtshaft)』を構築する第一歩として、適正管理(除伐等)の必要な人工林や里山雑木林の間伐材等の木質系バイオマスのエネルギーとしての地域内循環利用を通じて、森林生態系の持続的発展性と温暖化防止への寄与を目的とする持続可能な地域社会のあり方を提案したい。
(1) 荒廃した森の守り手は誰か
(2) 太陽を起源とした再生可能自然エネルギーに変えよう
(3) 植生管理による炭素貯留方策
(4) 森林の環境認証(FSC)がひらく持続可能な未来
(5) バイオエネルギー社会=自然資本の経済の構築に向けて
M220 中川芳明[M1]
台湾WTO加盟が及ぼす影響
2002年1月1日、台湾が“Separate Customs Territory of Taiwan, Penghu, Kinmeu and Matsu”の名義でWTOに加盟した。中国大陸との関係上、1990年にGATTに復帰申請をしていから12年かかったことになる。
加盟プロセスや市場アクセス交渉・加入議定書交渉の合意内容から、加盟が台湾国内産業に与える影響、またこれまで「急がず忍耐強く」政策を調整し、「積極開放・有効管理」方式を採用することを決定したように、さらなる変化がみられると考えられる中国大陸との関係について考えていく。
D106 曙光[D2]
1980年代以降の日本の外国人受け入れ政策の変遷〜中国人の移動を事例として〜
本研究では、1980年代以降の中国人の移動を主に、日本の外国人受け入れ政策の変遷を明らかにすることを目的としている。国際的な労働力移動のメカニズムを理論的に検討し、日本における外国人受け入れ政策の流れに基づき、1980年代以降中国人の日本への移動の全体像を概観し、いかなる方向性を示しているかといったことを解明したい。
M116 神高康弘[M2]
米駐留軍用地特別措置法改正への経緯〜沖縄米軍基地問題〜
1997年、米駐留軍用地特別措置法の改正について国会で審議され、衆参あわせて9日間の審議を経て改正されました。その際、沖縄では大きな反対運動が起こり、ある国会議員からは国会を大政翼賛会にしないよう」という発言が出たにもかかわらず、この改正によって何がどう変更され、沖縄に対してどのような影響があり、それが今後の日本の国益にどう反映されるのかについて深く議論されることはありませんでした。また、日米間の安全保障に関する法律の改正であり、その点では日本国民全体が深く関係している問題であるにもかかわらず、沖縄県以外の人にとっては、なぜそこまで反対しているのかがよくわからない状況ができていました。米駐留軍用地特別措置法とはどのようなもので、どうして沖縄に適用されるようになったのでしょうか。このポスターセッションでは、米軍の沖縄上陸から米駐留軍用地特別措置法の適用、更にその改正に至るまでの経緯について調べ、米軍基地使用下におかれた沖縄の状態と、政府の沖縄米軍基地使用に対する政策について考えていこうと思います。
修了生 熱田親喜(関西国際大学)
ネパール「こぶ」取り作戦のための調査研究〜ヨード欠乏症・国家対策の補完プロジェクトとして〜
研究目的:ヨードの補給のために、品質劣化の少ない高含有の「昆布」を、有病率の高い農村にヨード補給媒体として普及させる可能性を探求する。そのために支援プロジェクトを組む。発表内容:1.「こんぶ」プロジェクトへ; (1)こんぶに対するネパール人の味覚 (2)酢こんぶプロジェクトとこんぶ飴プロジェクトの準備。 2. 甲状腺腫瘍患者の“うわさ”づくり作戦; (1)患者の3つのパターン、(2)患者のこぶ取り作戦、(3)噂づくり・口コミ作戦。
竹中工務店(佐々木正人・大倉克仁・水方秀也・栗崎浩・黒川賢一)
「船場再生」〜滞在的ストックを活用した街のリハビリテーション〜
大阪の都心である船場地区。産業の空洞化や空室率の増加など課題の多い街であるが、一方で多くの歴史的、文化的ストックがあります。ここでは、船場に眠る潜在的ストックを活用し、街を活性化するアイデアを提案します。内容は仮設的なものから恒久的なもの、点的なものから面的なものまで様々ですが、潜在的ストックを活用するという点で、21世紀におけるまちづくりの方法を示しています。
A:[SENBA-CLOTH-Gallery]
夜、船場の店が閉まった後、道に布を張り巡らしていき、それによってカフェや店、ギャラリーなど様々なスペースを作っていくという提案。船場が歩く事の楽しいギャラリーに生まれ変わります。
B:「ウラ」をなくせば… 街もいきいき
現在の船場センタービルは無骨で閉鎖的な街の「ウラ」。外壁のリニューアルや路面店を導入して「ウラ」をなくせば、船場が明るく楽しい街になります。
C:「船場citla dormitorio」 若旦那を育む街
船場の街中のビル上階など空室部分を中心に「独身寮」を点在させ、若い単身貴族が船場に住めるようにする不動産事業システムの提案。単身貴族の生活の舞台としての街全体がリビングとなり、賑わいのある船場が再生します。
(当提案は2001年秋に都市公団関西支社主催で行われた「船場げんき提案」に応募したものです)
修了生 土井成三(北口高木まちづくり協議会[西宮北口北東地区])
住民参加のまちづくり〜西宮市における「地区計画」の研究〜
西宮市では、震災後「地区計画」の策定が活発となっており、18地区において決定している。また現在もいくつかの地区で計画中である。西宮市においては「地区計画」策定において「住民参加」を前提に住民側からの提案型で進めているが、この主たる目的は、マンション建設に対抗するための大きな手段として「地区計画」を取り入れているのが特徴的である。この「住民参加」では、行政やコンサルタント主導となっている等、問題は内在しているが、住民が主体的に自らのまちはどうあるべきかを議論し、「地区計画」として提案したことは、大いに評価できる。しかしながら、この西宮市における異常なまでの「地区計画」ラッシュは、マンションという建造物がもたらすデメリットに対しての住民の利害がそこに存在しており、この利害こそが、住民参加の原動力となっている。それ故、継続的な活動に対しての動きが鈍い現実が存在しており、「住民参加のまちづくり」への今後の大きな課題となっている。
神戸市(竹田衝吾[北区役所まちづくり推進課]・井垣昭人[企画調整局総合計画課])・田路三貴子(アネックス・カトウ)・稲田佳代(総合政策学部卒)
農村地域における新しい「市民まちづくり」〜神戸・大沢町のコンパクトタウン研究会〜
震災を経て、地域における人と人のきずなの大切さを学んだ神戸では、地域住民がその生活に根ざした視点で、子供からお年寄りまでが安心して快適に住みつづけられるまちづくりを目指している。
神戸は大都市でありなから、下町や新市街地、農村など、多様な地域特性を持つ。その地域の歴史・伝統・文化などの個性を生かしながら、住民自身が地域課題に取り組み、コンパクトな生活圏の形成を目指す「人にやさしいまちづくり」コンパクトタウンづくりを進めている。そのキーワードは「地域特性・環境・コンパクトな生活圏・コミュニテイ・地域産業」である。
大沢町は、吉川町に隣接する人口約1,400人、少子化と農業の衰退という課題を抱えた農村地域であるが、地域特有の課題の解決に向けて、住民自身が研究会を結成し、農村地域なりの独自の解釈で「コンパクトタウンづくり」に取り組んでいる。
本ポスターセッションでは、神戸市のコンパクトタウンづくりと、大沢町で取り組まれているコンパクトタウン研究会の取り組みを紹介し、農村地域における新しい「市民まちづくり」の一形態を提示するとともに、政策的目標とその評価を整理してみたい。
修了生 呉屋奈都子(向陽台高等学校)
社会資源を生かした循環型社会の構築課題〜NPO活動の果たす役割〜
私たちは、生まれた家族の中で個人としてのジェンダーを意織せざるを得ない杜会の中で、ライフサイクルを重ねていく。その中で、人と人の共生・自然と人の共生を良き地球人として、あらゆる場面でライフプランの在り方を学ぶ機会が与えられる。
その機関としては、主に家庭・学校・地域が考えられ、社会資源をいかに生かして生活していくかという手法が問われる。そこで、ここでは物の循環と人の循環をキーワードとして、生活スタイルを模索する。物の循環に関しては、生産された物をどのようなかたちで消費して、どのように生活しているかが物の循環型社会では問われる。また、人の循環に関しては、少子高齢化が進み家族の形態が変化する中で、特にその背景や原因としてジェンダー意識による性別役割分担の困難さが伴うことと、子育てによる女性の労働力率の要因を無視することはできない。とりわけ、このような問題点が指摘される中、QOLの本来の在り方と人間関係の希薄化を見逃すことはできない。
その背景には、個人を尊んだQOLや女性のM字型就労形態における自己実現や社会参加、学童期児童の子育て支援の死角がある。
ここでは、主体性のある良き地球人として、地域・家庭・学校をクロスボーダーとする連携の中における、所属や立場を越えた地域に眠っているマンパワーの有効利用と循環型社会を構築することに注目した。そこで、人間関係の希薄化を中心とした、QOLの本来の在り方と民と行政との新しい関わり方について、課題と問題点を明らかにすることを研究テーマに取り組むことを目的とした。
D104 澤田有希子[D2]
職業ストレスとバーンアウトの関係性
(調査報告) 特別養護老人ホームの介護職員712名を対象に行った調査から得られた結果から、介護職員の職業ストレスとバーンアウトの関係について検証する。
M102 有田洋人[M2]・M067 益田博・M126 高田和裕・M132 羽多悦子・小川知弘(修了生)
地域における無形民俗文化財のあり方
三田市本庄地区にある駒宇佐八幡神社で奉納されている県指定無形民俗文化財の「百石踊り」を事例として、無形民俗文化財のあり方を考える。その際に地元との関係、行政との関係を調査して、その結果から将来における無形民俗文化財のあり方を提言する。
兵庫県企画管理部政策室(杉本明文・木南晴太)
21世紀兵庫長期ビジョン〜美しい兵庫21〜
兵庫県では、平成13年2月、21世紀初頭の兵庫県のめざすべき社会像とその実現方向を明らかにした「21世紀兵庫長期ビジョン〜美しい兵庫21〜」を策定しました。
時代が地方分権と官民協働へと移りゆくなかで、「21世紀兵庫長期ビジョン」では、まず、7つの圏域ごとに、県民主役・地域主導で「地域ビジョン」をまとめました。いずれも、地域の特性や固有の文化を生かした個性豊かな将来像が描かれています。
そして、さらに、こうした地域の「夢」の実現を支援し、全県的な視点からの兵庫像を示す「全県ビジョン」を策定しました。そのめざすところは、多様な地域に多彩な文化と豊かな暮らしを築く「美しい兵庫」です。ここでは、県民みんなの自律と共生、活動の舞台となる社会の安全・安心を基本に、7つの地域ビジョンに共通する4つの社会像を設定し、それを具体化する方向性を提示しています。
今後は、住民やNPO、企業、行政といった活動主体すべての参画と協働のもと、新たなビジョンの実現に向けた取り組みを着実に進めていきたいと考えています。
平成13年度には、「21世紀兵庫長期ビジョン」の具体化に向けて、各圏域ごとの「地域ビジョン推進プログラム」および65の重点プログラムからなる「全県ビジョン推進方策」を策定しました。平成14年度以降は、全県と地域との連携を図りながら、これらのフォローアップに取り組んでいくこととしています。
篠山市役所(小稲敏明・洒井直隆[M1])
『市町村の合併効果によるまちづくりと将来の課題』〜篠山市における合併効果による公共施設建設と将来の課題
2000年に旧多紀郡4町が合併し、篠山市が誕生したが、その合併による国の財政的支援により、公共施設の建設が相次いでいる。
今回のポスターセッションでは、その国の財政的支援を大いに活用し完成した公共施設、建設中の公共施設、予定されている公共施設などを紹介する。
また、このようにして出来上がった施設の利活用方法や、篠山市に与える影響とこれからの課題を報告する。
久世町企画課(榎原薫)・長峯研究室
岡山県久世町における振興計画(総合計画)づくり
岡山県真庭郡久世町において、現在、長峯研究室が中心となって草案を策定している振興計画(総合計画)について、その策定プロセス、基本構想の中身(ミッションやまちづくりのヴィジョン)、行政評価システムとのリンク、住民参加の仕かけづくりを紹介する。
氷上町役場(谷川富寿・十倉康博・足立博)
高齢化社会における政策課題について
年金、医療、介護・・・・、我が国の高齢化社会が抱える諸問題。当氷上町においても高齢化率が23.5%にもなり、さらに平均寿命や平均余命とも県下平均よりも低く、高齢化問題はまさに現在、当町が直面する課題で厳しい局面を迎えています。実際に町民は高齢化に伴う心身の衰え、一人暮らしなど、社会が成熟化していくのと裏腹に大きな不安を抱えています。当町では、これら増大する「不安」を「安心」にかえるため、「安全と安心の心豊かなまちづくり」をめざしています。
まず、長期的な展望に立って、将来の氷上町の大きな指針となる「健康ひかみ21推進事業」を平成13年度から立ち上げています。生涯を通じた健康づくりの意識の高揚と保健サービスの充実を図るためには何が必要かを、健康実態調査を通じて模索し、今後の実施行動計画を樹立していきます。
現在、高齢者の具体的施策としては、一人暮らし老人に無料で福祉電話を貸与する「ひとり暮らし老人対策事業」、高齢者が行動範囲を広め社会参加するためのタクシー券を交付する「高齢者対策事業」、高齢者の雇用促進や活動強化をめざす「シルバー人材センター補助事業」など町独自事業のほか各種国県補助事業を実施しています。
さらに、少子化対策事業で平成14年度から実施予定の「アフタスクール事業」「ひかみ寺子屋21」において、高齢者がもつ様々な技術や生活の知恵を児童生後に伝授し子育て支援を行うとともに、高齢者が潜在能力を発揮することにより、生きがいを持つ機会を提供したく考えています。今後、元気老人の人口をいかに増やし、その潜在能力をいかに生きが生きがいづくりにつないでいくかが、これからのまちづくりのキーポイントになります。
修了生 赤井俊子
少子化対策としての女性の農村定住の課題〜氷上町におけるアンケート調査から〜
全国的な少子化の中、農村においては男性が結婚を望んでも配偶者のないまま高齢化する傾向がある。結婚に際して、女性が農村を敬遠する理由は何なのか。その原因を探るため、氷上町在住の女性1,000人にアンケート調査した。その調査結果から女性の農村定住のための課題を探り、農村地域の活性化を考える。
M145 中尾悠利子[M2]
自治体における環境会計〜導入事例とその比較〜
環境問題の深刻化を背景に、自治体の環境対策や環境施策に対する期待は大きくなっているが、その一方で、自治体の財源に限りがあることもまた事実である。その意味で、「環境活動に対してどれだけ費用、資源を投入し、それによってどれだけの効果を生んだか測定する」こととして、「環境会計」がある。それでは、今現在、自治体で導入されている「環境会計」の事例とその比較を今回のポスターセッションにとりあげる。
片寄俊秀(総合政策学部教員)、山崎猛[M1]、学部学生
まちかど研究室『ほんまちラボ』からの発信No.1〜No.5
三田市内の伝統的な町並みを残す中心商店街の中に、1997年6月1日に設置された「関西学院大学総合政策学部都市政策コース野外実習施設・ほんまちラボ」は、今年で満5年が経過した。その間、ラボを拠点とする学生、院生たちの研究活動は、まちの将来像を模索したり、拠点から飛び出して全国各地のまちづくり研究を行うなど、様々に展開し、その模様はNHK「新日本探訪」をはじめ、新聞・雑誌等に紹介されている。また数多くの卒業論文や修士論文が生まれ、対外的な発表も行われている。これらの経過と蓄積をポスターにまとめて発表する。
M120 小泉洋平[M2]・ M103 安倍学[M2]
コーポレートガバナンス〜概念的枠組みの整理〜
本研究は、コーポレート・ガバナンスを整理することを目的とする。
コーポレート・ガバナンスは、一般的に「企業統治」と訳されているが、その定義は、広義、狭義と様々である。歴史的にも、社会環境の変化や社会的責任の広がりにより、コーポレート・ガバナンスの概念も多様に解釈され得るようになってきた。
本研究では、コーポレート・ガバナンス評価のマトリックスを作り、過去から現在までのコーポレート・ガバナンスについて評価を行い、整理する。
長峯研究室
関学OB首長へのアンケート調査
今回のリサーチ・コンソーシアムにおいて、パネル・ディスカッション「どうする21世紀の自治体経営」を行うに際して、関学OB首長14人に対してアンケート調査を行った。その調査の集計結果をここでは紹介する。
長峯純一(関西学院総合政策学部教授)・片山泰輔(同客員助教授)・江島由裕(同客員助教授)・矢尾板俊平(中央大学総合政策研究科[M2])
政策分析ネットワーク〜ポリシースクール連携への試み〜
政策分析ネットワークは1999年に発足した、政策研究者と実務家のための研究交流組織です。現在、大学やシンクタンクの研究者、国や地方の公務員、政治家、ジャーナリスト、NPO職員、学生等、様々な立場から政策に関わる人々約650名が個人会員として参加しています。また、関西学院大学総合政策学部をはじめとする政策系大学、シンクタンク、地方自治体等、約20機関が機関委員として会の運営を支えています。
ネットワーク活動の中心は、政策研究を活発化させ、その質・量の充実をはかるとともに、政策現場における研究の活用を促すことにあり、年次研究大会やインターネット上の政策データベース等を運営しています。さらに、全国に40以上となった政策系大学・大学院の間の連携強化にも取り組んでいます。
今回のRCでは、こうした活動の状況をポスターによって紹介します。