気候変動研究会レビュー =その活動と意義・反省=

文責 熊 英次

<気候変動研究会 ミッション>

気候変動研究会は 気候変動問題に関するアクションを通して、組織内に「問題を解決で
きる人間」を育てる。我々が最も重視するのは、@に気候変動研究会という組織のメンバ
ーであり、Aに我々の顧客である。
 気候変動は、地球規模の問題であると供に我々のライフスタイルに密接に結びついた大
変厄介な問題であり、我々は この問題を解決する為には 大学の四年間は短過ぎる期間
である事を知っている。そこで、我々は大学を卒業した後も、気候問題及びその周辺の問
題についてアクションを持続的に起こしている人間であリ続けると言う事を切望するとと
もに、我々の「地球規模の問題を解決する為に足元から行動できる人間でありたい」と言
う想いを我々の周囲に広げて行く事が、この問題を解決するうえで大変重要であると考え
ている。
 行動に関しては我々は、3つの原則に基づいて活動する。@地球に優しく、人に優しくA
斬新な方法で 人々の興味を引きB実際に行動して結果を出す という3つである。またその
活動の成功・不成功は、人々の意識がわれわれの活動によってどれだけ変わったかによっ
て判断される。

<ミッションの作成について>

 このミッションは創設者(熊)が勝手に思っていたことであり、メンバーに何度もこう
したミッションについてを個人的に話して来たが、これは「一方的な押し付け」と捉えら
れ 効果を結ばなかった。こうした問題への対策としては、まず、実際に行動を起す際に、
「ミッションの共有」に多くの時間をかけることである。また、相手のバックグラウンド
や多様性をもっと認めそのうえで、そうしたものに基づいた形で、ミッションの共有を始
めなくてはならない。したがって、ミッションの共有はは一方通行的なコミュニケーショ
ンによらず、相手の注意を惹きつけるやり方でなくてはならない。そうした意味では気候
変動研究会は、メンバー同志がほとんど「あかの他人」から始まり大変苦労した。したが
ってマネジメントに、多くの人間を巻き込むその為には、リーダーシップはチームで採ら
れることが望ましい。まず親しい友人と供に事業を始め、お互いに補い合いながら、自分
たちの心地よい領域を越えて行動を開始するほうが良い。そうしなければ、ミッションを
共有し 共通の価値観や原則、優先順位を持って同品質の活動をすることが難しくなる。

<具体的な行動とその目標>

6月目標;気候変動研究会 結成
7月目標;危機感の共有や人と人の結びつきを作る
   行動;山村先生を招いて勉強会、CASAの研究会に出席 
   レビュー一部の人に知識が入るにとどまり、あまり効果的ではなかった。
8月;目標;7月の失敗を受け、別の戦略で組織内に「熱中集団」をつくる
   行動;ドイツ研修旅行と発表会及びこれからの計画策定
   レビュー;危機感の醸成に成功し、具体的なアクションは9月にシンポジウムを開く事に決めて活動をする事になる。また、この時に来れなかった人達が、疎外感を感じて来なくなる。
9月;目標;具体的な行動を起すと供に、気候変動の為の専門的知識を共有する
   行動;19日に 神戸市民の前で発表会を開く事を目標に3つのグループに分かれ 研究活動をすると供に、新聞広報、会場交渉、資金集め、資料づくりなどを全て自分達で行う。 時間が足りない為、合宿を行ったがこれを通じて組織内に親密感が広がり始める。  
   レビュー;専門的内容且つ、リーダー(熊)のリーダーシップのまずさや活動のしんどさに何人かが来なくなる。また、途中参加したいと言う声も上がったが、張り詰めた空気についていけなくなり、結局来なくなった

10月;目標;11月までに次の行動を起す
    行動;11月にシンポジウムをもう一度行う事に決め、活動をする。また、この
月、過労の為、熊倒れる。これと前後して、組織の改革が行われ仕事別にグループを作り
エンパワーメントされる。
    レビュー;メンバーの才能が生かされはじめる。リーダー(熊)の統制が外れ、多くの多様な発想や行動が生かされ始める
11月;目標;シンポジウムを成功させる
    行動;シンポジウムを開催
    レビュー;参加者は少なかったが、一度経験した事を 別の形でやりなおした為、プログラムに多くの改善が見られる。しかし、メンバーの一部から 「シンポジウム」という一方通行のコミュニケーションの限界が言われ始める。

12月;目標;COP3を成功させる
    行動;傍聴に参加する。この時期は メンバーがばらばらに動いていた。
       終了後、活動の動機が急速にしぼみ、解散