抑制帯に関する職員意識調査の分析
                           M967 森本茂樹

はじめに

 兵庫県東播磨地域老人福祉連盟との共同調査において、私は施設入所者7名、入所者のご家族10名に聞き取り調査を行った。この中で私が感じたことは、サービス利用者である入居者とその家族が施設と対等な関係に立てていないな、ということであった。それは、「してもらっているから」という過度の感謝と、「この他にはどこにも行く所がない」という閉塞観によるものであると思われた。

 高齢化が進み、介護保険が導入された。このように社会状況や社会制度が変わろうと、現場の意識がそのままでは福祉サービスが向上していくはずもない。現場の意識とは、施設従事者と利用者の意識の相互関係によって向上していくものであろう。

 そこで、ここではまず施設従事者の意識について論点を絞ってみていきたい。その際、職員用アンケートで尋ねた「抑制帯」の項目に注目したい。

 抑制とは、「点滴の管を抜くのを防ぐ、ベッドからの転落防止」などの理由で、体をベッドや車椅子に縛ったりすることをさす。

 介護保険の導入により、建前上、利用者がサービス内容により施設を選べるようになった。今後、そうした中で利用者中心のサービスを行っていくというのならば、私はまずこの抑制をなくしていくべきだと思っている。

 しかし、抑制帯禁止、縛り禁止と言うのは、やや感情に訴えすぎる部分があるように思う。「特養では痴呆の高齢者がベットに縛り付けられているんです」なんて聞くと、人は恐らく拒否反応を示すでしょう。抑制帯を禁止しようとする動きがある病院、施設でも、「自分ならどうですか、自分の親でもそうしますか」とまず職員に尋ねるという。

 だが、職員数や賃金といった労働条件を考え合わせると、そうせざるを得ない、得なかった実情があるのだと思う。私は、今、理念的に言われている「縛り禁止」を現場の人たちはどのように思っているか、今後どうしていきたいか、を聞き、現実を知るとともに、政策にまとめることで感情を超えたものにしたいと思っている。

 
SPSSデータ:クロス集計
 
抑制の弊害

身体的抑制

・生理機能の低下

 ⇒慢性抑制死   ⇒急逝抑制死

精神的抑制  

社会的抑制 (吉岡充 田中とも江 「縛らない看護」1999 医学書院 P134より)

 
                                       

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