D まとめ・感想

  千里ニュータウンについて、その歴史、そして現在抱える問題、将来に向けての活動と見てきました。
  こう見てきてまず感じるのは、「プランニングの際における将来性の認識の欠如」であります。高度成長期においては生活向上のためにはとにかくハードを整備しなければならないという思いしかなく、将来どうなるのかが全くイメージできていなかったというところに今現在ニュータウンが抱える問題の根幹が見えるような気がしました。
  建物の老朽化においても、本来鉄筋コンクリートの建物は30年で建て替えは余りにも寿命が短いと言われています。きちんと計画修繕を行えば60年位は十分に持つというのが今現在一般的な考え方になりつつあります。建てたら建てっぱなしで時代に合わせた設備仕様変更や躯体の修繕を行うという認識が欠如した結果30年しか持たなかったということです。

  高齢化においても、街が成熟してくると、そのまま住み着いた住民は当然年を取るわけですから、当然高齢化は進みます。これに関しても住宅の狭さのために子供が独立すると千里ニュータウンを出て行ってしまう、ということが大きな原因の一つでもあります。

  千里という地域は、開発当初は何もなかったところですが、今は新御堂筋・中央環状線・名神・中国道や、北大阪急行・阪急電鉄・大阪モノレールによってうらやましいくらいに交通の便がよく、生活施設も整っており、また緑も非常に多いため、居住するには申し分ない地域であります。実際に千里の人気は高く、先述の「フォルム千里中央」においても一般分譲住戸は即日完売であったと聞きます。
  そのような地域であるから千里はこれから発展していく要素は十分にあると思います。

  そのためにはどうすべきか?これは先述の通りあちこちで研究・話し合いが持たれているテーマであります。
先日私が参加した40周年記念フォーラムでも取り上げられていました。

     ・周辺にある学術機関を大いに利用しよう
     ・高齢者がもっと外出できるように(自治会に積極的に参加してもらう、近隣センターにデイケアセンターを作る、バリアフリーの街になど)
     ・若い人がもっと暮らしやすいように(住宅の用途に柔軟性を持たせる、近隣センターの店舗を賃貸しやすくする)
     ・ゆとりある空間は残しつつ建物の建て替えを含めたリニューアルを図る

  などが大多数の意見です。

では、それを実行に移す際のことを考えてみましょう。一体誰が実行するのでしょうか?

 問題は千里ニュータウンが2つの市(行政区域)にまたがっているという点です。それぞれの市が先導したとしても、千里ニュータウン全体として統制がとれるとは限りません。
 あくまでも千里ニュータウンは一体で開発された一つの街ですので、一体で維持管理されていくのが一番よいと思われます。
 しかしながら、開発した大阪府企業局は廃止予定、都市公団も廃止と、一体でのまちづくりを進めていける組織がなくなって行くのが現状です。
 私の考えとしてはやはり企業局でなくとも、大阪府が責任を持って統括団体を作るべきではないかと思います。費用は豊中市・吹田市と折半でもかまわないと思います。大阪府には千里だけでなく泉北ニュータウンもありますし、また彩都のまちびらきも控えていますので、そのような計画開発都市の面倒を一括して見れる組織を作るべきだと思います。実際の住民単位の活動に関しては豊中市・吹田市がそれぞれ支援していけばいいと思います。

 これから住宅の建て替えラッシュが控えています。このままだと全く統一の取れない民間マンションの立ち並ぶいびつな街になりかねません。
それだけは避けてほしいと願います。


以上、発表を終わります。

初めてホームページを作成したため、不慣れな点が多く見づらい点が多々あったかと思います。

何卒ご容赦願います。

また、今後の千里ニュータウンはどうあるべきか、ぜひこれをご覧頂いた皆さんからご意見をお聞かせ願えればと思います。

よろしくお願いいたします。

 


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