日本企業のこれまでとこれから

Bこれからの企業のあり方A

うかつな発言で企業信頼を失うよりも、内部をしっかりさせる事。
つまり、内部統制(Internal Control)をしっかりさせる事が大切になってきます。
先ほども書きました通り、大企業には備わっているものです。
それがなければ、監査の段階で問題になりますし。

が、働かなかったのは事実ですから。
米国の学生は、就職活動の際にに企業に対して「内部統制の有効性を質問」するそうです。
そうでないと、怖くて働けないから、だそうです。
僕の場合、見た限りでは、そういう事はあまり考えないのが一般的だったと思います。
聞いても、そうない様に信じるしかないです、との答えが帰ってきた場合もあります。

<内部統制・法令遵守を有効にする為に>

JRの事件では、マニュアルを配っていた様ですが、それは働きませんでした。
タダ単にマニュアルを配るだけでは、不十分なのは十分承知のはず。
「これ、読んどいてね〜。世の中が世の中だしね〜。」みたいに笑っている人はいませんか?

内部統制とは、単なる管理ではありません。
「目的達成に関して合理的な保証を提供する事を意図した、事業単位、
経営者およびその他の構成員によって遂行されるプロセス」とあります。

ここのプロセスとは、5つあります。

  1. モニタリング(Monitoring):日常と独立機関による監視
  2. 情報と伝達(Information and Communication):情報をどう伝えるのか
  3. コントロール行動(Control Activities):リスクを管理する
  4. リスク評価(Risk Assesement):不確実性の算定
  5. コントロール環境(Control Environment):企業風土

これらは口にする事は簡単ですが、徹底させるのはかなり大変です。
意識が一番の問題ですし、機械って誤作動多いしな、で済ます日常ではダメなんです。
外部に頼むのは簡単ですが、お金も掛かります。時間もかかります。

<コーポレートガバナンスとの関係とは>

コーポレートガバナンスとは、経営陣に対する規律づけ。
外部から人を招いたり、するのもそうですね。株主や債権者も入っています。
ただ、これと内部統制は大きな関係があります。

マネージメントの人たちによる実態把握の不十分さ(=内部統制の欠如)の状態で、
いくら他の人たちが経営陣を規律したところで、それは末端までいかないものであり、
意味のないものとなってしまいます。この2つを一緒に議論していく事が大切ですね。

<米会計不信からの議論>

14年の商法改正から、アメリカ型のコーポレートガバナンスの採用出来る様になりました。
しかし、ここに来て、アメリカの会計不信・コーポレートガバナンス不信が起こり、
「いや、やっぱり、アメリカは失敗したんだから、このままでいいんだよ」という流れになるのは
もの凄く怖い事であると思います。

日本経団連は、10月13日、不祥事防止に向けた取り組みを発表しました。

  1. 行動指針の整備・充実
  2. トップの基本姿勢の社内外への表明と取り組みの開示
  3. 全社的な取り組みの整備(倫理委員など)
  4. 「企業倫理ヘルプライン(相談窓口)」の整備
  5. 教育・研修の実施・充実(階層別・職種別)
  6. 企業倫理の浸透・定着状況のチェックと評価
  7. 不祥事が起こった場合の適格な情報開示・原因の究明・再発防止策・処分など。

7項目ありますが、「必要なのは個々の企業の取り組み如何」という奥田会長の発言にもありますが、
アメリカでは、CEOに最高25年の禁固刑の罰など決めても、本当に起こってないかは分りません。
ヘルプラインなんて、使う人はいるのでしょうか。
ここで話したら、爪弾きにされる事もないのでしょうか。
疑ってかかる事ほどギスギスするものはありません。上手く、企業として対策を講じて欲しいものです。


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