アメリカの会計不信


Aエンロンと言う企業


さて、ここではエンロンの実態に付いて見てもらおうと思います。
@で見た表に何か違和感を感じませんでしたか?「アレ!?」と。

エンロンはエネルギー企業と言いながら、コアコンピタンスは
金融トレーディングという風になっているのです。どうして?
エネルギー企業といったら、プラントを作って、実際にそこで電気を
作って、流して売る。〇〇電力などの様な企業での日本の光景。

しかし、エンロンは少し変わった形態の企業なんです。

<エンロンの元々!?>

エンロンは、天然ガスパイプライン企業を発端として、
2社の統合によって成立した企業です。
エネルギー・トレーディング企業なのです。

89年にはガス、94年には電力商品。97年には天候デリバティブを
扱いを始めるといった様に、業務を拡大していきました。
2000年にはブロードバンドビジネスへ進出。
普通はエネルギー企業は発電プラントなどを自社で所有するものなのですが、
売却を進め、保持を極力回避という金融企業になっていったのです。
その理由としてはエネルギーは価格変動が激しく、
なるべくその変動の影響を受けないようにする為、とあります。

つまり、エネルギーを主体とする
金融先物取引企業へと進化を遂げていくのです。
先物取引とは、自分が仕入れたものを他の望む人に
仕入れ価格に上乗せする事で利益を出します。

<エンロンオンライン>

エンロンオンラインとは、エンロンが99年に立ち上げた
世界初のエネルギーBtoBの取引サイトです。
これは、かなり評価が高いようでこの後の資産を引き受けた
某金融機関の方は、その素晴らしさに驚いたそうです。

<フロンティア精神>

エンロンは、2000年には売り上げが1000億ドルを突破し、
全米で第7位。フォーチュン誌のもっとも革新的な企業に5年連続。
そう。エンロンは市場リーダーだったのです。

エネルギーの規制緩和の際にも、自己のノウハウを活かし、
積極的に関わっていく事により、自己に都合のいい様に働きかけたとされています。
政府にも積極的に市場のリーダーとして発言する。
また、海外にも積極的に進出していくという事も。
ただ、そのフロンティアはいつまでも続くわけがありません。
他企業が進入すると価格も下がり、次の市場へ、と
いつまでも続かない。そうすると、エンロンは崩れていきます。

また、電力等は貯蔵ができませんから、常に供給を
一定にしなければなりません。
また、遠くから買ってしまった場合など制約を受けるなら、
赤字覚悟でも多少の資産は持たなければなりません。

そして、エンロンは破綻への道を一直線に進みます。


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