■ WTCの現状
官民のもたれあいとバブル崩壊や市の財政難が見事に直撃し、
現在、WTCは債務超過に陥っています。
債務超過とは?
「負債総額が資産総額より多い」こと、つまり
会社にあるものをすべて売っ払って借金に当ててもまだ足りない状態、というわけです。
その額実に245億円。
また大阪市はこれにATCと湊町開発センターの債務超過をあわせると、その総額は534億円にもなります。
(WTCとATCの債務超過は全国ワースト3のうち2つを占めています)
■ 債務超過の原因
普通、「企業」であればそのような借金だらけの状態になれば
即 倒産します。
しかし、第三セクターは行政からの補助金や債務保証による借入金で問題を先延ばしし、
そしてその赤字をずるずると引きずったまま今に至るのです。
その原因としては、第三セクターの項で再三言ったとおり、
官民双方の甘えによる曖昧さから、後先考えずにもたらされたものです。
具体的には
■実現の可能性の低い事業計画、
→つまり中心地から交通アクセスの悪く近くに競合相手もいる場所で、集客力が見込めるのか?
→そのコンセプトで人々を惹きつけることができるのか?
→テナントとして入る企業のニーズに応えているか?
■官民の役割分担の不明確さ
→WTC設立によってどのような公共性や利益が得られるのか?
■天下りの出向者では民の迅速性が活かせない
→天下りの出向者はその事業に最適な人物なのか?また兼任が多くては時間的に十分であるか?
→赤字経営になってもその時に適切な対策がなされず、作りっぱなしになっていないか?
■コスト意識の欠如
→天下りや兼任では赤字経営にも危機感がない。
などが挙げられます。
また、WTCは収入の核であるテナント料がほとんどはいってこないので、空きフロアを公共団体やその外郭団体が
入ることで埋め続けた結果、入居率は100%に近いものの、その約80%は
貿易も世界も関係無い公共団体が占めている状態となっています。
今のままでは今後もテナント料は大幅増収は期待できないうえに、ここ数年中心部で大型オフィスビル・商業ビルがオープンしており、
土地の便も悪くコストパフォーマンスもない(WTCの家賃は梅田とほぼ同じ)もベイエリア・咲洲地区は敬遠されるばかりです。