(St. Mechthild von Magdeburg, 1207-1282)
流れ出る神の光 ― Das fliessende Licht der Gottheit より 恍惚のただなかで私は一つの山を見た。 それは瞬時のことだった。 そこに魂が一瞬たりともとどまるなら、 肉体はとても絶えきれない。 その山のすそ野は雲のように白く、 山の上の頂は太陽のひかりに澄みきって熱く、 どこが始まりでどこが終わりか分からなかった。 山はそれ自身の中から光を放っていた ― 黄金が流れ出るように、えも言えぬ愛に包まれて 私は言った、「主よ、永遠に流れ出る愛を見、 この奇蹟を知った この目は幸せです。 とても言葉にあらわせません。」 すると山は言った、「あなたの目は 私を見るためにある。 そのために七つのもので浄められなければならない。 その七つとは、 人に負い目を追うことを喜ばず、 喜んで他者を許し、 何も所有せず、 憎しみに対して高貴であり、 残忍なものを愛を以て迎え、 罪を犯さず、 心を備えてすべてを受け入れる ― 主よ、あなたは私の愛する方 私のあこがれ 私の流れ出る泉 そして私はあなたを映し出す鏡です。 主よ、私をリードしてくだい、私は踊りましょう 歌を歌ってください。 私は高く飛び跳ねましょう。 私はあなたの愛の中に飛び込みます。 愛しながらあなたとひとつになり ひとつになって歓びの中へ この世のはるかかなたへ わたしは、すべてを捨てて神に向かわなければならない 神は私を生んだ父、 私を支える兄弟、 私を愛する花婿、 そして私は、この世のはじめから彼のもの。 マグデブルクのメヒトヒルト Mechthild von Magdeburg |