研究演習・鎌田ゼミ(共生の哲学)
総合政策学部教授(哲学)鎌田 康男 


研究演習の具体的な運営方法


◎研究演習の趣旨

◎「読書案内」とは?

◎「概要」について

◎「参考文献・資料」について

◎研究演習実施フローチャート


以下の要領で研究演習第一ラウンド(4〜5月) を行います。第二ラウンド以降の方法については、研究演習開始後にメンバーで相談します。

研究演習の趣旨  教材となる文献は、授業開始前に行われる運営会議で、受講予定者および担当者が話し合って決定します。研究演習第一ラウンドでは、各回の教材となる文献をゼミメンバーの全員が読んでくることを前提とします。このプロセスを効率化するため、担当グループが研究演習の一週間前に「読書案内」を、研究演習当日に「概要」を配布、また必要に応じて「参考文献・資料」を準備します。


「読書案内」とは?  名称は一見無害ですが、わたしがミュンヘン大学若手(^^)V講師時代の思想系ゼミの運営の経験を通して編み出した「秘密兵器」です。

 「読書案内」は、他のゼミメンバーが原典を読んで行くにあたって、次の3点を正しく理解、把握していくように、道案内の役を果たす資料ですが、決してその答えをはじめから与えるものではありません。

[1] その著者または学説の重要な用語、主要概念

[2] その著書または学説全体の構成

[3] その著書または学説が、学術史、あるいは広く思想史の中で占める位置

 「読書案内」はいわば「クイズ集」であり、その答えを原典の中から見つけるように構成されます。クイズの課題数は10〜20問程度が適当と思われますが、テキストの種類によって必要課題数はかなり変わってくると思います。それぞれの担当チームが実行可能な枠内で現実的に判断して下さい。課題は原則としてテキストを読み進む順序に合わせて配置して下さい。また、テキストを読めば容易に答えられる問題を中心とし、難解な問題は1、2割程度に押さえてください。
 「読書案内」は、要所を押さえて読むための助けですから、すべての重要事項を完璧に網羅する必要はありません。(作戦的な理由からわざといくつかの点をぬかすなどのトリックも認めます。)重要項目の網羅は「概要」(後述)が果たすべき役目です。
 ゼミメンバーは、「読書案内」の課題の答えを原典の中から見いだし、簡潔に答えるとともに、その答えの根拠となった箇所(ページ、段落・行、引用など)を記録し、それらを研究演習の時間に発表できるように文書化しておきます。

「読書案内」を作成する作業(=問題発見)、および「読書案内」に従って原典を読むという作業(=問題解決)は、学術書を読むときの「命綱」とも言える「読書ノート」を正しく取るためのトレーニングです。


「概要」について  これは、研究演習当日に配布(および、コンピュータ・プレゼンテーション)されるレジメです。当日の授業の流れと、テーマの概要とを含みます。研究演習は担当チームが司会・運営します。研究演習をどのように構成するかは、基本的に担当チームの独創に任せます。授業中、担当教員(鎌田)は、できる限り (^^; 控えめにふるまうよう努力します。


「参考文献・資料」について  担当チームが必須文献を補うために有用と判断した資料を、ファイル、コピーなどのかたちで準備します。ただし分量は必須文献の分量を考慮して、過重にならないように注意して下さい。


研究演習実施フローチャート

【−3】(3週間前)作戦会議  担当文献にざっと目を通した上で担当チームのメンバーが集まり、担当研究演習の目標設定、運営方針、役割分担などを決めます。また、必須文献以外に参考資料の使用が有用であると判断されるときは、それらの参考資料の選定、ゼミでの使用手順も決めます。資料作成に向かって具体的な準備にかかります。

【−2】(2週間前)資料作成  授業の一週間前に配布する「読書案内」および授業当日配布する「概要」(および必要に応じて一週間前または当日に配布する「参考資料」)の作成を開始します。そして、「−1」の開始前に関係資料のコピーを済ませます。

【−1】(1週間前)読書案内等配布  一週間前の研究演習の時間に、準備した「読書案内」(必要に応じて「参考文献・資料」)を電子メールで配布。ゼミメンバーは、この「読書案内」を頼りに一週間でテキストを読み、また「読書案内」中の設問への解答を準備します。

【 0 】(当日)  担当チームは「−1」に配布した読書案内、当日配布する「概要」、コンピュータ・プレゼンテーション(PowerPoint など)、「参考資料」などに沿って研究演習を自主的に運営します。

ゼミの実際の進み方やゼミメンバーなどについては、ゼミ生の自主運営するゼミホームページをご覧下さい。