現代は「合理性」が賞揚される時代であるといえます。合理性にもとづいているかどうかが、正しさを測る基準である、とさえいえます。このときの「合理性」とはどのような意味なのでしょうか。 たとえば、「システムを合理化する」といったとき、求められるのは、そのシステムにおいて無駄な部分を削ることです。すなわち、システムにおいて必要な経費(もしくはエネルギー)を最小化することです。この合理化が達成されたとき、経費の最小化のほかに、もう一つの側面が達成されます。それはすなわち、そのシステムにおいて必要な経費が「計算可能」になった、ということです。無駄な部分があったときには、どれくらい必要であるかどうかがよく分からなかったものが、合理化を経て、 確実に計算することができる ようになるのです。 |