ジンメル『社会文化論』　読書案内

第一章「序論　社会学の認識論(要約)」

＜留意点＞
★社会学と他の諸科学の相違点は？
★ジンメルは、「社会的分化論」を社会においてどのように位置付けているか。
★ジンメルは、「社会」という概念をどのようなものとして捉えているか。

第二章「集団的責任」

１．「最初にあげた問題」（p.403 下段 l.9）とは何か？
２.「諸民族の持つ自由の観念と、その諸民族が個人の意義を出生という偶然的な事柄に結び付けていることとのあいだには、一見、心理的矛盾が存在しているようにおもわれる(p405-406)」とあるが、それはなぜか（どういった点で矛盾しているのか)。そして、この矛盾はどうやって解消されるのか。
３．ジンメルは、結局、罪に対する責任は誰が取るべきだとしているか。（第二章全体を通して）

＊キーワード＊
・客観的側面、主観的側面
・統一性（類似性・現実的連関）
・個別・独立・分化
・総体・結合
・先祖帰り（的な復帰）

第三章「集団の拡大と個性の発達」

１．まったく異なった二つの集団が類似していくのはなぜか？（p.423）

２．「一つの領域における個別化あるいはその反対の現象といったプラスは、他の領域におけるそのマイナスを要求する」(p.428 下段 l.7～9）とあるが、これはどういうことか。

３．個人主義的な傾向と集団主義的な傾向とのあいだの３つの関係を示せ。（p.433～434）

４．なぜすべての人間が平等だという説は、極端な個人主義と結びつくのか。（p.436 上段 l.4～6）

＊キーワード＊
・分化・個別化
・集団の拡大
・個人と集団の関係
・全体的平和と個人主義

第四章「社会的水準」

１．なぜ分化が尊重されるのか。3つの理由を具体的に説明せよ。（p451-456）

２．分化が進んだ現代社会において、具体的にどういった水準かがなされているのか。具体的な例をあげよ。(p458-461)

３．「この考え方と前述の主張との見かけ上の矛盾（p459）」とあるが、それはどのような矛盾であり、それはどのように解消されるのか。「この考え方」と「前述の主張」の指す内容を明確にした上で、答えよ。

*キーワード*
・社会的水準
・差異、個別化
・類似、統一性
・理論的確信・理論的教養（新しいもの）
・倫理的行為・倫理的形成、道徳的本質（古いもの）
・低次なもの、共同的内容・共同的所有物
・高次なもの、分化
・平準化
・共感、流行

第五章「社会圏の交錯」

1.「こうして観念の結びつきは、実際に知覚できるものに刺激されて起こる結びつきから、観念の内容がどうであるかということによって起こる結びつきへと進歩していくのであり、・・・（p.485下）」とありますが、それによって社会圏はどのように変化していくのでしょうか。

2.「一言でいえば、自由と拘束は、社会化が、人格の異質的な諸要素を一つの統一的な圏のなかに押しこむかわりに、同質的なものが異質的な諸圏のなかから出てきて結合しあうという可能性を与える場合に、より等しく配分されるのである。（p.494上～下）」というのはどのようなことを意味しているのでしょうか。

3.「（このような場合には、）さまざまな結果を生む心理的融合が、二つの面で容易に起こる。（p.496下）」とありますが、心理的融合を生む二つの側面とはどのような側面か説明して下さい。

4.3のような心理的融合を解体させるにいたった分業の契機を説明して下さい。

5.「たとえば、刺繍機械を動かす女工は刺繍女よりもはるかに精神のない活動をおこなっているが、他面、その活動における精神は、いわば機械のなかに移転しており、機械のなかに客体化されているのである。（p.501下）」とありますが、刺繍機械を動かす女工と刺繍女では何が違っているのでしょうか？その活動における精神が機械のなかに客体化されているとはどういう意味でしょうか？なぜ刺繍女（多くの意味と深い意義をもった制度や交渉の様式）から、刺繍機械を動かす女工（まったく機械的、外面的で精神を欠いているようにみえる制度や交渉様式）へと変化したのでしょうか。

＊キーワード＊
・異質的・同質的
・接触圏
・高次の概念（上位概念）
・孤立化
・合理的（合目的的）
・心理的融合

第六章「分化と力の節約の原理」

１．「分離の連理のように見える分化は、実はしばしば調停と接近の原理である（p506）」と書いているが、この分化の原理（力の節約の原理）とはどのようなものか。

2．「低い社会の内部では～代替することができる。」「高等な知的人間になると～内的多様性が付与している(p522)」とあるが、この二つからして現代はどのような社会の状態であり、またもし現代が代替可能な人間が増えたと解することができるのであれば、それはなぜか。もし現代が代替不可能な人間ばかりであるのであれば、その理由も書け。

3．「変化する欲求は～効果的に持続する。(p526)」とあるが、この部分における人と人との関係はどうか。また消費社会の中で、人とモノとの関係はこの部分から考えるとどのような関係であるか。

第2章「集団的責任」におけるディスカッションテーマ

①「低い文化の時代には、教育の概念は、衝動の抑圧あるいは根絶ということを目的とした懲罰の概念と同じだったことが、その特徴点としてあげられる。しかし、文化が高まると、不道徳な衝動のなかに含まれる力そのものを、懲罰によって破壊してしまうことはやめて、そうした力が有益に行使できるような状態、つまり不道徳なものそれ自身がそれとは別の有益なものをつくりだすような状態を創造しようとする努力が行われてくる。」（p.411下　L16～21）とあるが、現代の日本社会ではこのような現象は起こっているか。起こっているとしたら、それはどういった現象か、答えよ。

第6章「分化と力の節約の原理」におけるディスカッションテーマ

②「低い社会の内部では～代替することができる。」「高等な知的人間になると～内的多様性が付与している(p522)」とあるが、この二つからして現代はどのような社会の状態であり、またもし現代が代替可能な人間が増えたと解することができるのであれば、それはなぜか。もし現代が代替不可能な人間ばかりであるのであれば、その理由は？

③「変化する欲求は～効果的に持続する。(p526)」とあるが、この部分における人と人との関係はどうか。また消費社会の中で、人とモノとの関係はこの部分から考えるとどのような関係であるか。

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