[11] 構造の概念は思想家によって様々な意味で用いられる。しかしながら、構造は単に要素の集合ではなく、要素と要素間の関係性の全体であるという点では共通しているといえよう。ピアジェ自身も「すべての構造主義者たちが一致して認めている唯一の対立」は「構造と集合体−すなわち、全体とは独立した要素から成り立っているもの−との対立」(『構造主義』p16)であると述べている。