[30] 「家族制にもとづく儒教思想を表だてた歴代の政治体制にとって、墨子の兼愛交利はまことに秩序破壊のふつごうな主張である。」金谷治責任編集『諸子百家』、昭和41年、(26ページ)とあるように、既存の共通認識を破壊する力がその思想には備わっていた。