[4] 「今日、需要と供給のメカニズムは、物質的生産の面では崩壊しつつある一方、上部構造の面では、支配者のためのコントロールとして作用している。この場合消費者とは、労働者やサラリーマンであり、農民や小市民である。彼らは資本制生産の中に心身ともに封じこめられ、要求されたものに唯々諾々と身を委ねるようになる。言うまでもなく被支配者たちは、上から与えられたモラルを、支配者自身よりもっと真面目に受けとるものだが、それと同じく欺かれた大衆は、今日では、成功した者たちよりはるかに成功神話に陥っている。彼らは自分たちも成功したいと願っている。見まごうかたなく、彼らは自分たちを奴隷化するイデオロギーにしがみついているのだ。」(啓蒙の弁証法p.205)