[10] <参考:宮台真司「まぼろしの郊外」東京、朝日新聞社、1997、p.134>
『明治期以前の村落共同体は、江戸期の移動・交通の禁止もあって、生まれた時に周囲にいた人間たちと死ぬまで一緒にいるような関係で、生活環境の全面的共有を前提としていた。ところが、日露戦争以降の急速な重工業化と並行する都市化は、とりわけ都市部の住人達に「周囲が知らない人ばかり」という環境を強いたが、この新しい経験は、都市部における神経症の増大をもたらした。』