(14)「何からの自由だというのだろうか?それがこのツァラトゥストラに何の意味があるだろう!あなたの眼ははっきりと、私に告げなければならない。何をめざしての自由であるかを!あなたは自分自身に、あなたの善、あなたの悪を与えることができるだろうか?そしてあなたの頭上に、あなたの意志を律法として掲げることができるだろうか?あなたは自ら、自分自身の律法による裁判官となり、処罰者となることができるだろうか?自分自身の律法による裁判官として、処罰者として、全く独りぼっちでいるということは、恐ろしいことである。こうして一つの星が、荒涼たる空間と、氷のような孤独の息吹のなかに投げ出されるのだ。・・・孤独のものを殺さずにはおかない様々な感情がある。殺すことがうまくゆかなければ、今度は、そうした感情の方が生きてゆかれなくなる!しかしあなたはそうした感情を殺し、とどめを刺すことができるだろうか?」ツァラトゥストラはこう言った 上巻P104-105