[10] 本稿では操作的構造の例として、いくつかの簡単な例を挙げているが、構造主義の議論では数学の構造の研究は豊富である。最大の理由は、それまで人間の主観とは独立に存在すると思われていた数学の体系が、実は人間の主観的な認識に依存していることを解明したブルバキ学派の影響である。数学の建築術と言われるその研究は、数学の3つの母構造(代数的構造・順序の構造・トポロジー的構造)の存在を明らかにした。この業績はピアジェの操作的構造主義だけでなく、多くの現代思想が影響を受けている。