[17] ピアジェはフランスの週刊紙エキスプレスのインタビューの中で(『思考の誕生 論理操作の発達』所収)「先生にとって、心理学は科学なのですか?」という問いに次ぎのように答えている。「はい。なぜなら、科学とは、何よりも、もろもろの問題を限定したり、切り離したりできる学問だからです。一方、例えば哲学では、これらの問題がまったく密接にかかわりあっています。この限定は統制(コントロール)を可能とします。統制が存在するときから、および、研究者が相互に訂正しあい、次第に近似的に、より厳密な何ものかに達することができるときから、実験科学となるわけです。」(p180−181)。この部分からピアジェの科学観が読み取れるだろう。