[5] 社会学においては、このような推論は排除されなければならないものである。例えば、需要曲線と供給曲線が自然に動き、最適の点で静止するという需要供給の法則さえも、社会学にとっては怪しいものなのだ。 「(需要曲線と供給曲線に関して)このまったく筋の通った必然性も、正真正銘の自然の法則の示す必然性とはなんら似通ったところがない。(『社会学的方法の基準』P89) デュルケムがこういう原因は、この需要供給の法則はまったく論証不可能であるからだ。同様に「情報機器の普及による間接体験や疑似体験の増加」と少年の問題行動との関連は、まったく論証不可能である。