[16] <参考:尾高邦雄「世界の名著 ウェーバー」東京、中央公論社、1979、プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神、p.289>
バックスターの見解によれば、外物についての配慮は、ただ「いつでも脱ぐことのできる薄い外衣」のように聖徒の肩にかかるに止めねばならなかった。それなのに、運命は不幸にもこの外衣を鋼鉄のように堅い外枠と化せしめた。禁欲は世俗を改造し、世俗の内部で成果をあげようと試みたが、そのために世俗の外物はかつて歴史にその比を見ないほど強力となり、ついには逃れ得ない力を人間の上に揮うにいたった。