加藤教授の総合政策学部観とは?


『総合政策』という言葉は『総合』と『政策』という言葉がくっついていますよね? 『政策』とは『Policy』だからわかり易いんだけれども、『総合』というのがわかりにくいわけです。。 私にとって総合政策とは、結局のところ、生きる力、生き残る力、を身につけること、そういうことなんだろうと思っています。 いろいろ人生の中で選択をしたり、決断をしたり、いろいろな情報を分析したりと考えると思いますが、そういうことは全て生き残るために、あるいは生き抜くためにやっていくんだということを考えますと、総合政策を学ぶ意味というということは、生き続けることに必要な生きる力を養うことだと思います。


総合政策学部の将来像について。


それはなかなか迂闊には言えんなぁ(笑) それは基本的には実はみなさんが作っていく、みなさんというのはいまこれを読んでおられるみなさんだけじゃなく、 過去の総合政策を入学し卒業していった人たち、そしてこれから卒業するであろう人たちが、何年かたって実績としてできあがっていくものではないかなと思います。 とりあえず今まで総合政策学部は国際発展政策、都市政策、環境政策(注・エコロジー政策)という大きく三つの柱を立てて、それらを支える意味で 言語、英語なんかを非常に力入れてきました。 3年ぐらい前からはメディア情報学科ができて、それも大きな柱の一つにしていこうという心積もりがありますので、 まあ総合政策とメディア情報と、今まで一生懸命力をいれてやってきた英語教育を足した延長線上に、国際的な国際機構、特に国連を中心とした国連外交というものが一方にあります。 それに対して多国間、特に東アジアなんかは多国間の外交になっていくと思いますけども、それに対してアメリカのような非常にユニラテラルというか、いわば唯我独尊という外交政策もありますが、基本的にはその中で多国間、あるいは国連といったものを重視した政策を考えていくという、国連国際機構政策というようなものもひとつの柱になるんじゃないかなと思いますね。 ですから、そういう将来像を語るとすればその3つ4つぐらいの柱があって、いずれもみなさんがその場に応じて生き残る、あるいは生きる力を身につけてもらえるような教育、研究をしていったらいいんではないかなと思います。


加藤ゼミを通して学んで欲しいこと。


総合という、世界を大きく見ながらも加藤ゼミとしては軸足を『都市』という領域において、みなさんに勉強してもらうことをお手伝いすると。 都市というのは何か、と。なかなか難しいですが、人々が寄り集まって何か活動したり、生活すると、必ずそこには問題があり、かつメリットがある。 赤信号みんなでわたれば怖くない、というようなメリットがあると同時にふたり集まれば必ずケンカが起こりうるわけでありますから、 そういうものを調整しながらメリットを生かしていくと。これが都市の基本、都市的な生活社会のきほんだろうと思いますね。 『神は田園をつくり、人間は都市を作った』と、こういういう諺にあるように、極めて人工的な社会が都市だと思います。 そういう人間が作ったものをさらにレベルアップする、そういう意味でも文明と文化ということが常に頭に浮かぶことになると思います。 そういった人間が作った都市というものを2年間ぐらいちょっと勉強してもらったら、応用がきくんではないかと思います。


2004年11月15日 神戸三田キャンパス1号館 205教室にて。

加藤晃規 【かとう あきのり】
(関西学院大学 総合政策学部 教授・工学博士)


専攻:都市計画、環境デザイン


所属学会:日本都市計画学会、日本建築学会、日本計画行政学会、日本展示学会、地中海学会


研究分野:都市デザインの理論と実践に関する研究。住宅からコミュニティ、都市、地域、国土、グローバル圏域へと広がる生活空間を対象に取りあげ、その整備、開発、保全の理念構築と手法開発を、特定プロジェクトや文献を通じて調査研究している。とくに、都市の公共施設が用・強・美を備え、それらが望ましい地域環境を先導できる計画・デザイン手法をテーマにコンパクトな都市像について、比較都市論的に調査している。(加藤晃規HPによる。)

イタリアと妻子とLARKをこよなく愛するナイスミドルである。

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