リサーチフェア2002
2.潜在能力という指標
−人間の豊かさを問うアプローチ−

2-2.福祉と善

 最初に福祉を「満足のいく状態・幸福」など暮らしぶりの良さと定義したが,ここで,もう少し福祉の定義を深く掘り下げたい.福祉とは個人個人にとって追求する価値のある善であり,同時に社会的コミットメント(資源の移転・配分を通じた社会的保障)を要請する価値のある善のこと,である.

 まず,機能や潜在能力とその福祉(善)の関係に着目しなければならない.言い換えるならば,善と捉えて良い機能や潜在能力はどのようなものであるかという定義の問題である.以下2点;

@ 人にとって追求する価値のある善とは何か.
A 社会的に関与すべき善とは何か.

を問わなければならない.


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