千里ニュータウンが抱える問題−現状

 まちびらき当初は先進的なまちであった千里ニュータウンは現在、様々な問題を抱えています。
大きく分けると以下の3つに分けられます。

  1. 住民の少子高齢化
  2. 建物の老朽化
  3. 近隣センターの衰退

1.住民の少子高齢化

 このグラフを見てみると、千里ニュータウンの人口は1980年代から年々減少傾向にあります。しかしながら世帯数は減少していません。むしろ少しずつ増加しています。これはどういうことなのでしょうか・・・?
 
つまり平均世帯人員の折れ線グラフが示しているように、1世帯当たりの構成人数が減ってきているということなのですが、このことは
  ・ニュータウン完成時までに入居した家族が30代〜40代を世帯主とする家族がメインであり、その子供が現在は成長して独立し、千里ニュータウン外に住むようになった。→入居者の高齢化
  ・若い夫婦が居住しても子供が少ない→少子化
であることが推測されます。
 また、次の二つのグラフからも千里ニュータウンにおいて高齢化が進んでいることがわかります。

 千里ニュータウンは交通の便や住環境が良いために当初入居した人々がそのまま居住し続けることになり、より高齢化に拍車がかかる結果になっています。

2.建物の老朽化

3.近隣センターの衰退

 生活環境の不便さを解消するために作られた近隣センターは、住区の住民が日々の買い物を歩いていける場所に小規模スーパーマーケットや個人店など10店舗前後が設置され、近隣に買い物施設がなかった主婦たちにとってはとても便利なものでしたが、周辺地域が整備され、大型スーパーができるようになると、女性の社会進出とも相まって主婦たちはそれらの大型スーパーにマイカーで買い物に出かけるようになり、近隣センターへの買い物客が減っていきました。そして近隣センターでは売り上げの不振から店じまいする店も出てきて衰退化していきました。
 これは近隣センターの店舗が賃貸ではなく分譲であったためになかなか住民のニーズにあった店舗づくりができないということも一因と考えられています。

 これらの課題はいかにして解決していくべきか。
実際の事例や取り組みを次のコーナーで見ていくことにしましょう。


【参考資料】 福原正弘著 「甦れニュータウン 交流による再生を求めて」 古今書院、2001年
         (財)大阪府千里センター 「千里ニュータウン40周年記念シンポジウム ニュータウンライフとその未来」資料
         2001年度豊中市・豊中市政研究所共同研究 「千里ニュータウン 住宅地再生に向けた提言」



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