アメリカの会計不信


@エンロンとワールド・コムの破綻


エンロンが破綻したのが、2001年の12月。
ワールドコムの破綻が2002年7月。
共に全米を揺るがす出来事である。そして、会計情報に対する信頼を揺るがした。

両企業の違いを軽く分ってもらう為の表がある。

エンロン 内容 ワールドコム
エネルギー業 主業種 通信
トレーディング 主事業 トレーディング
金融技術、リスク管理 コア・コンピタンス 企業買収を主とする規模の利益
エネルギー・トレーディングの
約4分の1を占める
事業イメージ 米国内長距離電話の2割。
米国内インターネットサービスの5割超
実態を巡り、調査。
粉飾はほぼ確定
会計処理 粉飾
種々の要因と言われる 破綻原因 過剰投資、需要想定の失敗
積極的に議論をリード 規制緩和について 規制緩和にのる
女性社員の告発 発覚 女性監査員の告発

<ワールドコムの手口とは>

ワールドコムにおける破綻原因はエンロンと比べて、ごくごく単純である。
他の通信会社に支払うべき回線仕様料を、資産として上乗せしていたのだ。
負債合計は410億ドル(1$110円計算なら、4兆5100億円)にもなった。

ワールドコムの破綻原因としては、.comバブルを思い浮かべてもらったらいいだろうか。
通信企業であり、M&Aで企業を拡大し設備投資をしていったが、
需要と供給のバランスが崩れ、過剰な設備投資が残ってしまった・・・という原因だ。
ただ、物理的資産(つまり通信インフラ)を所有しており、
一般的企業に大きな影響が出ない様に配慮がされているという。

では、エンロンの破綻とは一体何だったのだろうか。
これは、謎に包まれている部分も多いいのだが、順に見ていきたい。


@エンロンとワールドコムの破綻   Aエンロンと言う企業   Bエンロンの爪あと「1」   Cエンロンの爪あと「2」