ドイツでダイヤルアップ



目次

【1】そもそも電話回線にたどり着くまで
【2】モジュラージャック
【3】モデム
【4】プロバイダ選び
【5】最後の手段ないしは、代案

 
【1】そもそも電話回線にたどり着くまで

 ドイツ(及びヨーロッパほぼ全域)では日本と違ってモジュラージャック付の公衆電話はありません。日本でも実際に公衆電話からインターネットに入る人は少ないようですが ― 私も外出中に急ぎの用で月に1,2回使う程度ですが、ほかに使っているのを見たのはこれまでに数えるほどですから、公衆電話にモジュラージャックをつけても採算が合わないとおもいます ― 、更にモーバイラの少ないヨーロッパでは、需要は皆無だとおもいます。これまで郵便局の公衆電話でモジュラージャックをつけているところがありましたが、次々に取り払われて、私の知る限り現存するのは、フランクフルト空港郵便局キャビン No.11 (今春撤去予定)と、ミュンヘン空港郵便局窓口前の公衆電話(最後に使ったのが1年以上前なので、すでに取り払われているかも・・・)だけです。

従って、電話回線にたどり着くには、次のどれかの方法によります。

  1. 一般家庭
     長期滞在で自分の電話を引く(申請してから開設まで何週間もかかるのが普通です)、または知り合いの家で使わせてもらえるのなら、この方法になります。

  2. ホテルの部屋など
     大きなホテルではPBX(構内交換機)による場合が多く、この場合はまずだめです。ただし、最新のホテルでは、モーバイラを意識して、普通のモデムで入れるように設定してくれているところもでてきました。また、小規模のホテルで、旧式の交換機(たいていはパルス式電話機なので判別が付く)を使っている場合も大丈夫です。ただ、見ているとドイツのノートパソコン+モデムでは、PBXでも入れているという人もいます。わずかな規格の違いがこの辺にでてくるのでしょうか。
     なお、ドイツのホテルの電話使用料は、一般電話の3〜7倍ぐらいするのが普通です。使う前に値段を確認しましょう。(または、一回使ったら念のためフロントに電話料金を尋ねてみましょう。)

  3. 携帯電話
     基本的に、モーバイラには携帯電話を使ってもらう、という方針のようです。但し、ドイツの携帯電話は日本の規格と違うので、現地で買わなければなりません。(現在、国際統一規格についての交渉がなされているようですが、実用化までに最低2年ぐらいかかるのでは?)モーバイル装備は日本よりかなり高めです。また、携帯電話契約2年間を義務づけられるか、相当の費用の上乗せを求められるか、で、短期滞在には不利です。

 
【2】モジュラージャック
  • ドイツの電話回線の端末にはさまざまな規格があります。通常は(日本やアメリカのものより大きめの)最新式のモジュラージャックコンセントが付いています。これには通常電話用(Fジャック)と、モデムやファックスなどの機器用(Nジャック)とがあり、多くの場合、両方のコンセントが付いていますが、場合によってはFジャック用だけというケースも多いです。その場合は、[1] FジャックをF+Nにするアダプター、[2] FジャックからUSモジュラージャック(2ピン)に変換するアダプターの両方が必要になります。現地に到着して、大都市の繁華街にある Hertieとか Karlstadt とかいうような大きなデパートのコンピュータ売場ないし電話機機器売場、あるいは大都市電気街、または郊外の大規模のパソコンショップなどに行けば、たいていあります。[1] で1000〜2000円、 [2]で数百円程度の値段です。私はドイツでは、かさばりますが、常に[1]と[2]とを携行しています。
    【おわび】ひょっとすると、FとNを取り違えているかも知れません。その場合は読み替えて下さい。m(__)m
  • 日本でも[2] のアダプタは置いているパソコンショップがあります。

  • まれに古い家庭電話やホテル電話で、旧式のモジュラージャックを使っていることがあります。これらにもアダプターや接続キットが売っていますが、割高ですし、そういう端末のまま放置しているところには、ハイテク・アレルギー(コンピュータ・アレルギーを含む)の人が多いので、友情を壊さないためにも別の回線を探した方がよいと思います。

 
【3】モデム

 基本的には日本規格のモデムでヨーロッパのダイヤルアップはできるようです。ただ、たまに通信中にシステムがフリーズすることがあるので不安でしたが(^_^;ドイツ規格のモデムをつないでいれば起こらないので、やはりどこかに微妙な違いがあるのかも知れません。逆にドイツ規格のモデムは日本では全く問題を起こしません。

 
【4】プロバイダ選び

 海外のローミングが可能と謳っている日本のインターネットサービスプロバイダでも、法外なローミング料金を請求されたり、接続のためにいろいろな設定変更が必要だったり、日本から持っていったノートパソコンでは入れないアクセスポイントがあったりして、速いテンポで旅行をしながら各地で次々にインターネット接続をするには向いていないところも多いですから注意しましょう。

私が確認している範囲で、ヨーロッパで大きな設定の変更なしに通用するプロバイダは、

  1. AT&T ビジネス・インターネット・サービス(旧 IBM-NET)
     情報は[AT&Tビジネスインターネットサービス]。ドイツに限って言うと、全国共通の番号(0 19 21 19)があり、都市毎に設定を変える必要がないのが便利です。料金は、電話・接続料・ローミング追加料金を含めて、一分あたり約6円と安いです。ただし、日本ではアクセスポイントは大都市(近畿では、大阪、堺、神戸、京都、大津)のみ。それ以外は日本テレコムのインターアクセス・サービスで全国1分10円となります。専用のダイヤラが便利。海外でたくさん使うならお勧め

  2. AOL アメリカンオンライン
     情報は[海外からのアクセス]。使いやすい。同じく全国共通の番号(0 19 14)があります。スタンダードな契約をしている会員は、接続料金が無料(ただし、電話料金は不明)です。旧BBS系(ニフティサーブと似ている)ということで、好みがわかれるところでしょう。
GRICによるローミングは要注意!!!】

 GRIC というローミングサービスを使う日本のプロバイダが多いですが、ドイツに関する限り要注意です。表示されているアクセスポイントの大多数が、独自のCHAP認証方式をとっており、PAP認証方式の日本のシステムではログインできません。専用のダイヤラを使ってもだめでした。

 そのようなトラブルについて良心的に注意を喚起しているプロバイダ(DTIなど)もありますが、イメージアップ・客集めのために国際性を強調するという伝染病が蔓延して、まるでどこでも入れるような宣伝をしているところもあります。現地に行って助けがないままに原因が分からず時間や電話代を浪費するといった危険は国内よりもずっと大きいです。また、結局あてにしたアクセスポイントがつながらないために、高いローミング料金(1分30円ぐらい)に加えて毎回高い市外通話料金を払わされる、ということにもなりかねません。特にドイツではホテルの部屋からの電話料は通常の数倍の額を請求されますので、最悪の場合は総経費が1分で何百円のオーダーになります。注意が必要です。

 ドイツ国内でのGRICのアクセス制限については、
http://manuals.dti.ad.jp/roam/announce_990501.html
に詳しく出ています。それによると、実際に入れるアクセスポイントは、ベルリン、デュッセルドルフ、フランクフルト、ミュンヘンなどの大都市におかれている CompuServe系のアクセスポイント13箇所のみです。それ以外からは、市外通話料金を払ってこれらのアクセスポイントにつながなければなりません。この情報は私もいろいろトライしてみた限り正確だと思います。


 いずれにせよ、日本で加入し、接続を確認し、慣れてから持って行くことを勧めます。

・長期のドイツ滞在なら、現地でドイツの(日系ではない)プロバイダに加入すると、安いものがあります。但し情報収集にある程度のドイツ語力が必要です。

 
【5】最後の手段ないしは、代案
 準備万端整えて渡航しても、何らかの理由でインターネットに入れないことも起こりえます。そのような場合に備えて、別の対策を立てておくことをお勧めします。詳細は
  • 日本語環境の構築ブラウザを使って簡単電子メールなどをご覧下さい。

    1. 自分の加入しているプロバイダのデータをプリントアウトして持って行く。特に、メールアドレスのほか、smtp/popサーバ名、サーバー用ユーザー名(もし別にあれば)など・・・

    2. 多くのプロバイダは、ブラウザー上でメールの送受信ができるサービスをしています。その方法に習熟しておくこと。これは、インターネットに入れたが、メーラ設定に失敗したときの助けにもなります。

    3. ブラウザーベースのフリーメールアドレスを取得しておくこと、またこのアドレスに (a)転送設定または (b)このアドレスから本来のメールボックスに[POPメール]設定をしておくこと。(a)(b)のどちらにするかは、フリーメールの使い方やメールの量によって判断します。

    ◎ 2. または 3. の準備があれば、現地でのダイヤルアップができない状況でも、大都市のインターネットカフェに行けば、電子メールなどのやりとりができます。日本語環境がなくても、InternetExplorer Ver5 なら、日本語フォントを指定すれば、自動的に日本語フォント・約3MB をダウンロードしてくれます。ただし、MS-IME までダウンロードすると、さらに時間がかかりますから、場合によっては、返信はローマ字(またはドイツ語)で (^^)V



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