国立民族学博物館「さわる文字さわる世界」展(2006年)から

 19世紀後半に日本に点字が伝わるまで、視覚に障害がある方のため、様々な工夫が試みられました。下は、国立民族学博物館で2006年に開催された「さわる文字さわる世界」展で展示された出品物です。1〜6は文字に関する工夫で、例えば、1の紙縒文字は「こより」でひらがなを示したものです。他の例は、それぞれ「結び目」、「針」、「紙の折り方」、「玉の組み合わせ」等で文字を示しています。また、松脂文字は松脂で文字を立体化したものです。こうした工夫は、7〜9の「こはぜ算盤」等一連の算盤の改良なども現れています(江戸時代に発明された「こはぜ算盤[算盤の玉を、足袋のコハゼのように工夫しています]」から、現在の盲人用算盤が改良されたそうです)。
 10はブライユが開発した当時の点字板です。一方、11は凹凸で地球儀を示したもので、このように図やグラフを伝えることは非常に手間がかかります。そして、12は点字で示すアラスカの地図です。

1.紙縒文字 2.結び文字 3.針文字
4.折り紙文字 5.通信玉 6.松脂文字
7.こはぜ算盤 8.サイコロ算盤 9.盲人用算盤(7のこはぜ算盤を改良)
10.ブライユの点字板 11.凸地球儀(凸凹で地図を表現) 12.アラスカ地図(点字で打たれています)
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