障がいがある学生の就職活動

◆これまでの大学の対応と障がい者の雇用等を促進する法律

 関西学院大学では、キャリアセンターを中心に、各種の障がいがある学生の就職活動にも適切な指導をめざして活動しています。

 一方、従来の大学では障がい学生の就職活動に特別な対応をとることはほとんどありませんでした。「必要があれば相談にのる」、あるいは「障害者向けの求人があれば、その情報を提供する」等の、一般的対応がほとんどです。基本的に、学生の自主性に任せていたわけですが、障がい者の立場からは、その活動に様々な制約があることは当然です。また、受け入れに消極的な態度をとる企業があることも否定できません(日本学生支援機構のHPから、文章を一部改変)。

 そうした状況に変化をもたらしたのが、障害者雇用促進法です。この法律では、事業者に対して、障がい者雇用率に相当する人数の身体障がい者・知的障がい者雇用を義務づけられています。具体的には、以下のような比率(障がい者雇用率、法定雇用率)で障がいがある方を雇用することが義務づけられました。このようにして、障がい者の方にも、雇用機会が次第に増加する傾向にあります。

 民間企業(従業員56人以上) 1.8%
 特殊法人、国、地方公共団体 2.1%
 都道府県等の教育委員会 2.0%


◆障害がある方の就職等に関する調査報告

 ところで、障害がある方の就職について、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構がおこなっている「職域拡大等研究調査報告」が公開されています。 例えば、下のNo.251、No.257、No.261は、ろうあ連盟が同機構から調査を委託されて、聴覚障がい者を多く雇用している企業を中心におこなった聞き取り調査結果をまとめて、考察を加えたものだそうです。

◆職域拡大等研究調査報告書 
No.251 聴覚障害者の職域開発に関する研究
No.252 重度障害者雇用事業所における障害者の雇用状況及び福祉機関との連携に関する研究
No.253 障害者のキャリア形成・在職障害者の能力開発の実情に関する研究調査T
http://www.jeed.or.jp/data/disability/ex_ls/ex_h15.html

No.254 重度障害者雇用事業所における障害者雇用状況に関する調査−高齢化等に対応するための福祉施設との連携、並びに精神障害者雇用及び在宅就業について−
No.255 障害者のキャリア形成・在職障害者の能力開発の実情に関する研究調査U
No.256 精神障害者の職業的自立に向けた訪問型個別就労支援の方法に関する研究調査T
No. 257重度障害者(聴覚障害者)の職域開発に関する研究U
http://www.jeed.or.jp/data/disability/ex_ls/ex_h16.html

No.258 精神障害者の職業的自立に向けた訪問型個別就労支援の方法に関する研究調査U
No.259 重度障害者雇用事業所における障害者雇用状況に関する調査−精神障害者の採用方針及び雇用管理を中心に−
No.260 重複障害者(盲ろう者)の就業の実情に関する研究調査
No.261 重度障害者(聴覚障害者)の職域開発に関する研究調査V
No.262 地域における協働による障害者雇用に関する研究調査
http://www.jeed.or.jp/data/disability/ex_ls/ex_h17.html

No.263 重度障害者雇用事業所における障害者の雇用状況に関する調査−地域における関係機関・団体との連携及び職場適応援助者(ジョブコーチ)の活用状況等を中心に−
No.264 地域における協働による障害者雇用に関する研究調査U −企業・福祉施設等の協働による障害者雇用及び就労支援の取組状況
http://www.jeed.or.jp/data/disability/ex_ls/ex_h18.html

No. 265 特例子会社における精神障害者雇用のケーススタディ
No.266 中小企業における障害者の雇用の促進及び安定支援に関する研究調査
No.267 重度障害者雇用事業所における障害者雇用状況に関する調査−重度障害者等の安定した雇用継続に向けた雇用管理等を中心に−

◆障がい者の就職支援にあたっている組織

 現在は、以下のような組織が障がいがある学生の就職支援にあたっています。

 
独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構 http://www.jeed.or.jp/
 
ジョイコンサルティング http://www.joy-c.com/gakusei/
 
ウェブ・サーナ http://www.web-sana.com/?OVRAW
 
クローバーナビ https://www.clover-navi.com/index2.php

 また、厚生労働省はハローワークの出先機関として、学生職業センター等を設けて、障がいがある学生の相談に対応しています。一つの大学だけではなかなか十分な支援がおこなえない場合、こうした学外の諸機関を積極的に利用することが重要です。

◆東京労働局学生職業支援センターによる障がい学生のためのコーナー
http://www.roudoukyoku.go.jp/job-gakusei/employer/index.html


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