1−2−1 多国籍企業‐発展の過程‐


多国籍企業( MNCs )という言葉はいつから使われ始めたのだろうか。科学技術の進歩が交通・通信手段を便利にし、ビジネスの発展に貢献したことは紛れもない事実であり、そのため20世紀初頭からいくつかの“多国籍”と呼ばれる企業は存在していた。しかしボーダレスビジネスの急激な広まりを考えると、第二次大戦後の国際協定の存在は必要不可欠である。まず、世界の経済・貿易の発展を支えた枠組みとしてブレトンウッズ体制がある。GATT(関税と貿易に関する一般協定)やIMF(国際通貨基金)はグローバルビジネスの発展に大いに貢献していることは言うまでもないだろう。(永尾、茂垣)このように戦後の世界の経済・貿易の背景は劇的に変わり、様々な分野でたくさんの企業が海外へ進出していくこととなった。宮崎は、多国籍企業は戦後とくに1960年代以降の新しい現象であると述べ、また高中のサーベイによるとP.J.ドラッカーも多国籍企業は第二次大戦後における最も劇的な経済動向であると述べてられている。


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