1−2 グローバルビジネスの定義


次にグローバルビジネスの定義について考えたい。400年の時をかけて現在の姿へと進化したグローバルビジネス、それ故ビジネススタイルや経営方針には様々な定義がなされている。まず、一言でグローバルビジネスと言っても様々な考え方がある。ここでは特に複雑で入り組んだ定義について紐解いていきたい。例えば、本社の国際事業部のみが国際的な営業を行っている場合や複数の国に法人を設立し、本社のミニチュア版を持つ場合などがある。それぞれ前者は“国際企業”、後者は“多国籍企業”と呼ばれることもあるが、普遍に使われる定義はまだ存在しない。

複雑な企業組織の多国籍化については、いまだに明確な定義がない。「多国籍」という言葉は広く使われているが、各人各様好き勝手に解釈していると言うのが現状である。実業家や研究者でさえも、しばしば「国際(international)」「超国家(supranational)」「グローバル(global)」「超国籍(transnational)」および「多国籍(multinational)」という言葉を同じ意味で使用している。(Heenan & Perlmutter,1979

では私たちは一体どうやってこれらの定義を解釈すればよいのだろうか。ここではグローバルビジネスのコンセプトを既存の定義を踏まえできる限り単純化したい。しかしグローバルビジネスを細かく分類すると大変な量になってしまうので、ここでは最も良く使われる定義「多国籍企業」に焦点を当て、現代社会の意味する企業形態を模索する。


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