1−2−2 多国籍企業‐公的定義‐


戦後発展した多国籍企業はどのような概念を持っているのであろうか。まず公的な定義として国連事務局は1973年、多国籍企業(multinational corporation)は工場、鉱山、海外事業所等の資産を2国ないしそれ以上の国々において支配する全ての企業と定義している。また1974年、国連多国籍企業委員会(the UN Centre for Transnational Corporations)は自国外に製品やサービスを扱う事業を所有または支配する企業と定義している。前者は企業の資産が多国籍であることを軸に、後者は扱う事業が多国籍であることを軸に考えられているためそれぞれの概念が異なっている。その違いを表すため英語ではMultinational, Transnationalと表現を変えていると思われるが、残念にも日本語訳では多国籍企業と統一の訳が使われている。


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