論題および審査基準

※公共選択学会HPより転載

■3年生 「世界金融危機下での経済再生を問う」


解題
アメリカの不動産バブル崩壊に始まった金融危機は、リーマン・ブラザースの破綻を契機に一気に世界経済に波及しました。日本経済にとっては、サブプライムローンの焦げ付きが対岸の火事のように思われていた時期もありましたが、打って変わって2008年10〜12月期では、先進国中最大の景気後退に見舞われています。その原因は何なのか。日本経済を再生させるためには、どんな方策が必要なのかを考えてください。7月に中央大学で開かれる公共選択学会の全国大会でも類似したテーマが採り上げられます。注目してください。


キーワード  
グローバリゼーション、世界的な経常収支の不均衡、資源価格の急騰、構造改革政策の再評価


とりあえずの参考文献  
[1] 野口悠紀雄(2008)『世界経済危機:日本の罪と罰』ダイヤモンド社  
{2] 竹森俊平(2008)『資本主義は嫌いですか:それでもマネーは世界を動かす』日本経済新聞出版社   

■2年生 「福祉政策の再設計」


解題  
バブル崩壊後、日本政府は長きにわたって不況を抜け出す方策を実行できませんでした。その間に財政状況は深刻化したため、構造改革ではもっぱら個々の社会保障制度の財政上の持続可能性に主眼をおいた制度変更に終始しました。しかし、グローバリゼーションと少子高齢化が進む中で、すでに、わが国の人口構成、人々の働き方、家族のあり方も大きく変わってきています。今後もこの傾向は加速するでしょう。不況の深刻化もあって、経済格差のクローズアップと構造改革路線への反省がよく議論されますが、もう少し長期の視野にも立って、労働、教育を含む包括的な福祉政策のあり方を考えてください。
キーワード  
非正規雇用、両立支援、教育、社会保障
とりあえずの参考文献  
[1] 駒村康平(2009)『大貧困社会』角川SSC新書  

■審査基準


論文およびプレゼンテーションの審査基準について
 
大会校教員の長峯です。
今回の学生の集いでは、審査員の先生方に、以下の観点から評価をしてもらいます。

1.論題に対する解釈/テーマの適切さ/着想のユニークさやオリジナリティ
2.分析水準や分析手法の適切さ
3.結論や主張や提言の説得力や妥当性
4.プレゼンテーションの出来ばえ(分かりやすさ/見やすさ/聞きやすさなど)