５章　人工知能の問題

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アトムの頭を作る上で問題になってくることに、『フレーム問題』というものがあります。例を出して説明しますと、『辞書を使って、ロボットという単語の意味を調べる』というプログラムを作るとします。 　辞書を開いてロボットの欄を開いてみると、そこの部分はマジックが塗ってあって読めませんでした。そうなると、『読めない場合はどうするか』をプログラムに記述しなければならなくなります。他にも『辞書が所定の位置に無かった場合どうするか』『検索する単語が見つからなかった場合どうするのか』さらには言えば、『調べている途中に日本が突然海に沈んだ場合どうするのか』とキリがありません。こうした起きる事象を全て書ききれないことが『フレーム問題』なのです。 　フレーム問題は、人間にも起こり得るのですが、人間の場合『端折る能力』があるため起こり得る全ての可能性は考えず、ある程度の所で考えをストップさせることができるので、『日本が突然消える』などの考えはしなくてすむわけです。 　ちなみに、プログラムを書く場合、予想しないことが起こった場合は、『予期せぬことは全てエラー処理を行う』としてしまいます。 これは具体的にやることが決まっている場合は、これでさほど問題にならないのですが、アトムのような汎用ロボットとなると、世の中予期せぬことばかりなので、エラーばかり起こすアトムになってしまうわけです（＾_＾； 　現在はロボットに学習をさせることにより、汎用性を持たせる試みをしています。

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